活動記録
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東京上野の不忍池を見下ろして建つホテル、「ソフィテル」が、このたび解体されることになったようです。部屋数が手狭なため、移転が決定された、とのこと。
このビルの形状をめぐっては、賛否両論がありました。確かに奇抜でおもしろいですが、その「おもしろさ」が、はたして審美的に心地よいものであるか?、上野に住まう「ゲニウス・ロキー」(注1)に馴染むものであったか? 通っている大学がこのビルのそばにあったので、私にとっては、日常の一部と化した存在でした。私の中では、「(ちび太の)おでんビル」という愛称が定着していたのですが。。。メタボリ建築の数少ない実現例として、個人的には、それなりに愛着をもっていました。 ただ、ここで問題としたいのはデザインの良し悪しではなく、築後まだ20年とたっていないあどけない「少女」建築が、経済上の理由で、解体されてしまう、という、その事実です。 日本の古建築、あるいは明治から昭和初期の様式建築に対して熱心に保存運動を展開している人たちは、果たして、この建物に対しても、同じ情熱をもって保存をうったえるでしょうか?なぜ、ある建物は保存されるべきで、別のたてものは壊されてもいいのでしょう? …また一篇、私たちは詩をかかなくてはいけないでしょう。消えてゆく、建築少女の思い出を永遠に記憶にとどめるために。 Text by 花火のグラディヴァ ※注: genius lociは、「土地・場所(=locus)」に宿る「霊・精霊(genius)」のことで、その場所特有の精神的な特性や歴史性を宰領する霊的存在とされます。日本語では「地霊」と訳されます。理論的には、どの土地にも、それぞれ固有の地霊がいて、その場所の性格やそこに暮らす人々の心性を霊的に規定していることになります。 大雑把にいえば、「上野=芸術の町」、といった感性を規定するもの。私個人的には、建築における「トポス論」の展開の延長にある議論だと思っています。部分的には風水の思想とつながる部分もあるのかもしれません。 この地霊は、数メートル四方のせまい土地から、道路、地区、ひいては町全体や地方全体にまで広がるケースもあります。興味のあるかたは、鈴木博之氏の名著『東京の地霊』をお読みください。 ちなみに、ラテン語のlociは属格なので、ロキーと、伸ばして発音するのが正しい。 PR ![]() ![]() |
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